三脚をしっかり立てよう

カメラを据える三脚は、ただ立てれば良いというものではありません。三脚の立て方に気を配ることで、劇的に良い撮影を行うことができます。三脚はただ単に「手ぶれ」を抑えるためのものでは無いのです。

では、どのように立てれば良いのか?詳しく説明しましょう。

周囲の振動が伝わらないように脚(アシ)の位置を考える

ピアノ撮影角度解説

三脚の脚には何も触れさせない

三脚の天敵、それは「振動」です。当然、振動が伝わればカメラがブレます。
「演奏会の会場は静かなところだから振動なんか起こらない!」とお考えの方もいるかと思いますが、実際はそんなことはありません。様々なところから振動は伝わります。

例えば、前の座席の背もたれに、三脚の脚が接していると、前の人の動きで振動が伝わってきます。座りなおしたり、脚を組み替えたり・・・演奏を聞いている最中でも、まったく動かない人のほうが稀なのです。そのために、前の座席からは若干離したところに脚の先端を置くようにしましょう。
もちろん、自分の椅子に接してしまうのもNGです。
必要なら、三脚の脚先を養生テープなどで固定してしまうのも一つの手です。

また、通路近くに脚を設置すると、人の歩く振動が伝わります。さらには脚の先が通路にはみ出ると、蹴飛ばされてしまう恐れがあります。足元ぐらい見て歩くだろうとお考えかもしれませんが、多くの演奏会では、会場のお客さん側の照明は落して暗くなります。その場合、歩いていても足元が見えにくく、とても三脚の脚は見えません。三脚の脚にひっかかって、カメラがぶれるだけならまだしも、最悪の場合はつまずいて倒れて、怪我をしてしまうかもしれません。ですので、三脚の脚は、人の通行を考えて設置しましょう。

三脚(ヘッド部分)の「水平」を保って設置する

ピアノ撮影角度解説

気泡を真ん中に調整する

三脚の水平を保つことは非常に重要です。映像が斜めに傾いてしまっては、「なんか違和感がある」絵になってしまいます。
「水平なんか見た目で分かる」とお考えの方もいるかもしれませんが、人間の平衡感覚は実はあまりあてになりません。

また、ある構図で、きっちり水平が取れていたとしても、三脚のヘッドの部分(横に動かす部分)が水平に設置されていないと、横に構図を動かした時点で、水平が狂ってしまいます。

三脚のヘッド部分の水平を正確に取るためにも、「気泡」が付いている三脚をお勧めします。
これは、水の中において空気が上に行く原理を利用したもので、円の真ん中に「気泡」が来るように調整すれば水平が保たれるというものです。馴れれば簡単に水平が取れるので、ぜひ使ってみると良いと思います。

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